相場の世界には、「教科書通り」にいかない瞬間というものが必ず存在します。
特にバイナリーオプションにおいて、多くのトレーダーが「逆張りサイン」を盲信して負けてしまうパターンの代表格が、今回解説する「突き抜け(ブレイクアウト)」です。
2026年1月10日、深夜のAUDJPY。
私のチャートには明確に「Lowサイン」が点灯していました。
しかし、私はそこでSellボタンを押すのを踏みとどまり、逆にHighエントリーを選択しました。
なぜ、開発者である私自身が、ツールのサインに逆らったのか。
その時、ティックチャートに見えた「違和感」について、ロジカルに解説していきます。
Lowサイン点灯時に感じた「落ちない」違和感
まず、場面はAUDJPYの1分足チャート。
ある程度の高値圏で推移しており、直近の高値(レジスタンス)に差し掛かったタイミングで、Wall Alertの「Lowサイン」が点灯しました。
通常であれば、ここは「壁」として機能し、反発下落が期待できるポイントです。
しかし、この時のプライスアクションには、明確な「弱さ」が欠けていました。
具体的には、上昇波に対する「戻し(押し目)」の深さです。
本来、健全なレンジ相場であれば、ある程度上昇した後にフィボナッチの38.2%や50%(半値)付近までは価格が落ちてくるものです。
ところがこの時は、23.6%付近、あるいはそれよりも浅い位置で価格がヨコヨコと推移し、「高値寄り付き」の状態を維持していました。
「落ちるべき場所で、落ちてこない」
これは、売り圧力よりも買い圧力が圧倒的に強いことを示唆する、最初のシグナルでした。
エントリーの決定打となった「ヒュッ」という動き
高値圏で張り付いている状態から、いつ上に抜けるのか。あるいは騙しとなって急落するのか。
その判断を下すために、私はティックチャートの「速度」を凝視していました。
決定打となったのは、0時30分付近で見られた、一瞬だけ価格が「ヒュッ」と上に走るような鋭い値動きです。
この動きは、レジスタンスラインに溜まっていた売り注文(損切り注文)を巻き込み始めた際によく見られる挙動です。
一度この動きが出ると、今まで「壁(レジスタンス)」だったラインは突破され、今度は逆に「床(サポート)」へと役割を変えます(レジサポ転換)。
私はこの「ヒュッ」とした動きを確認し、一度価格がラインまで戻ってきたタイミング(リテスト)で、流れに乗る形でHighエントリーを行いました。
結論:サインは「絶対」ではない
結果として、価格はそのまま上昇トレンドを継続し、トレードは成功に終わりました。
今回の事例から学べることは、「サインが出たからエントリー」ではなく、「サインが出た場所で、相場がどう反応しているか」を観測することの重要性です。
- 戻しが浅くないか?(高値張り付き)
- ティックに不自然な加速(ヒュッとした動き)はないか?
この2点を確認するだけでも、無駄な逆張りによる敗北は劇的に減らせるはずです。
観測を続けましょう。違和感は、やがて確信に変わります。


